内側側副靱帯

​ 膝内側側副靱帯(MCL)は、膝靱帯損傷のうちで最も頻度が高く、膝の捻挫と見間違えやすく捻挫として取り扱われることが多い障害です。
初期に適切な固定をすれば(前十字靭帯断裂)に比べ修復しやすいですが、陳旧化(急性期に適切な処置をせず伸びた状態)にした場合は、半月板損傷などの合併症を誘発するので、受傷時の適切な治療が重要です。

MCLは浅層、深層、後斜靱帯の3層構造となっていて、長さ10cmで膝関節内側部の大腿骨内上顆から脛骨内側部にかけて走行しています。
ラグビーやアメリカンフットボール、サッカー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツでは、膝外側から→内側への外力により、関節に外反ストレスまたは外旋力が強制されたときにMCLは過緊張し、最終的には断裂に至ります。
スキーでの転倒時、ジャンプ着地時、ツイスト時などでも発生します。

内側関節部に一致した圧痛、腫張、熱感、荷重にて外反動揺性(X脚のような)が認められます。
受傷直後は関節血腫が、慢性化すると水腫が存在します。
一般に損傷は、以下の3型に分類して治療方針に活用します。

  • I度:動揺性(健側と比較して)はなく、靱帯部の圧痛が主である
  • II度:伸展位の外反動揺性(-)、30°屈曲位で外反動揺性(+)
  • III度:伸展位の外反動揺性(+)、30°屈曲位で外反動動揺性(+)

MRI検査は最も有用で、MCL損傷のみならずACL、半月板、出血などの確認が可能です。
MCL断裂時のストレスレントゲンによる内側関節の離解像
合併損傷
単独損傷が最も多いですが、前十字靭帯(ACL)、後十字靱帯(PCL)損傷や、内側(外側)半月板損傷を合併する事もあります。
ACL+MCL+内側半月板の損傷合併例をUnhappy trias(不幸の三徴)ともいいます。