グロインペイン症候群

サッカーなどのスポーツを中心に、鼠径部周辺には多様な原因で発生する各種の痛みがあり、本当の原因を特定しにくいため鼠径部痛症候群(Groin pain syndrome)とされています。
鑑別障害に恥骨結合炎・大腿内転筋付着部炎・大腿直筋炎・腹直筋付着部炎・腸腰筋炎・鼠径ヘルニアなどが挙げられます。
鼠径部周辺の疼痛領域

下肢の外傷後や体幹から股関節にかけてスポーツによる使い過ぎなどによって柔軟性低下や拘縮が起こり、それが鼠径部周辺の痛みとなると思われます。
キック動作やランニングなどの繰り返しの運動によって鼠径部・股関節周辺・骨盤にストレスが加わって炎症がおき痛みとなります。
タックルなどで直接股関節周辺に打撲を受けた場合でも発生します。
圧痛や運動痛、鼠径部や大腿内側(内転筋付着部)、下腹部にまで放散する疼痛が特有です。
慢性化すると鼠径部が常に痛みます。特に下肢を伸展して挙上、外転する動作で誘発されやすく股関節の可動域制限、筋力低下が見られます。

好発スポーツ
サッカーが好発で大半を占め、陸上競技中・長距離、ラグビー、ホッケー、ウェイトリフティングなどで20歳前後の男子選手に多く発生します。